相続遺言相談室 on the web
でも誰に相談すればいいものかしら?
遺言書を書きたいと思っても、自分だけでは上手く書けなかったり財産の分け方を決められなかったりして、結局、遺言書を書かないまま亡くなるケースはたくさんあります。
大半の人にとって遺言書は、始めて書く専門文書でありながら失敗が許されないという点で、一人で書くのがそもそも難しい性質のものなのです。
そんな高いハードルで自分を縛る必要はありません。
遺言書は人に相談して書く
と決めてしまうのがおすすめです。
といっても実際には、誰に相談すればいいのか分からない、という人も多いのではないでしょうか。
金融機関で目にする遺言信託、保険会社や不動産会社の相続セミナーなど、遺言の相談窓口はたくさんあれど、気軽に相談して大丈夫なのか、財産を狙われるのではないかと不安に感じているかもしれません。
そこで今回は、遺言書の相談先について記事にしました。
遺言書は信頼できる第三者に相談する
先に結論を言うと、遺言書の相談先は信頼できる第三者がいいと思います。
信頼できるというのは、遺言書についてしっかりとした知識を持っているのはもちろん、相性、すなわち「自分がその人にすべてを話せるか」という主観的な要素も重要です。
遠慮して上手く話せないようだと、相談相手に知識があっても遺言書の作成に活かすことができません。
第三者というのは、遺言者の財産を受け取る予定の人以外の、中立的な立場の者ということです。
特定の家族だけに遺言書の相談をするというのはありがちですが、後で揉める原因となりますので絶対に避けてください。
弁護士や税理士などの専門家か信託銀行など、遺産分割において利害関係のない第三者に相談すべきです。
相談先によるアドバイスの違い
信頼できる第三者に相談するにあたって、知っておいていただきたいのは、
相談先によって言うことが違う場合があるということです。
その人が何に関心があるかによって助言の内容が違ってくるのです。
税理士なら、まっさきに節税や納税を考えますし、
弁護士なら、後々争いにならないことを重視します。
司法書士や行政書士なら、相続手続に問題なく使用できるかが気になりますし、
住宅メーカーなら住宅建設のメリット、保険会社なら保険加入のメリットをアドバイスすることになるでしょう。
相談先によって助言が違うと、混乱してしまい、遺言書を書くこと自体を断念してしまうかもしれません。
相談にあたって大切なのは、遺言書を書く目的を自分自身ではっきりさせておくことです。
遺言書を書く目的ー優先順位を付ける
相談に行く前に、自分を遺言書を書く目的をじっくりと考えてみましょう。
- 自分の相続で争いが起こるのを防ぎたい
- 無駄な税金を払いたくない
- 自分の希望通りに財産を受け渡したい
- お世話になった人に感謝の気持ちを伝えたい
などなど。
人によって様々でしょうが、いったん、すべて書きだしてみましょう。
その上で重要だと思う順番に優先順位を付けます。
どれも重要で優先順位なんてつけられないと思うかもしれません。
でも、現実には、すべての目的を満たす遺言書を作成するのは不可能なのです。
自分が最も重視する目的を特定し、それを得意とする専門家に相談するのがいいでしょう。
代表的な例として、
- 争いを防止したい→弁護士、行政書士、司法書士
- 相続税の節税や納税資金の確保を重視したい→税理士
があります。
他にも、
- 老後の生活設計も折り込んで相談したい→ファイナンシャル・プランナー
- NPOなどに寄付したい→遺贈寄付の専門団体
など、目的によって適切な相談先はさまざまです。
インターネットで情報を収集したり、知り合いに聞いてみたりして、探してみましょう。
相談先との相性が大切
遺言書の相談先を選ぶにあたっては、相性も大切です。
何でも洗いざらい素直に話せる相手でなければ、本当に満足のいく遺言書は作れないからです。
当然ながら、専門家は自分の専門分野に関心を持っています。
でも、遺言書の相談先として本当に相応しいのは、自分の専門分野だけでなく、遺言者の人生に関心を持ってくれる専門家です。
ここまでいくと、人対人の関係というか、相性の問題が切り離せなくなるのです。
実際に話してみて相性が合うかどうかで相談先を選ぶと上手くことが多いです。
まとめ
遺言書の相談先は、
- 遺言書作成で自分が最も重視している目的の専門家で
- 自分と相性のいい人
を選ぶのが正解です。
信頼できる専門家が見つかれば、あなたの遺言書はゴールにぐっと近づきます。
遺言書は元気なうちしか書けません。悩んでいないで今すぐ行動することをオススメします!