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遺贈寄付における「みなし譲渡課税」とは?

遺贈寄付が節税対策として注目されることがあります。

確かに一定の条件を満たせば相続税が非課税になるのですが、これはあくまでも相続税に限った話し。

あまり知られていない点として遺贈寄付で所得税と住民税がかかることがあります。不動産や株式のような現物を寄付しようかなと考えているなら要注意。

 
値上がりした不動産や株式を寄付すると、売却益があったとみなされて所得税が課されることがあります。
みなし譲渡所得
取得時より値上がりした不動産や株式を現物で遺贈した場合に、譲渡があったものとみなして、その値上がり益について課税すること
一般的な感覚からすると「えっ」と思う部分かもしれません。

そこでこの記事ではみなし譲渡所得について概要をまとめました。

背景にある税法の考え方

  • 値上がり益は故人のもの。故人から離れる時点で清算して課税すべき。
  • 資産を売却して代金を寄付した場合と課税を平等にすべき。

みなし譲渡所得で税金を負担する人

特定遺贈と包括遺贈では税金の負担者が異なります。

特定遺贈 包括遺贈
相続人が税金を負担する 寄付先が税金を負担する

亡くなった方の準確定申告において譲渡所得の申告を行い、申告した税金を支払います。

みなし譲渡所得にかかる税金

基本の算定式

課税所得=遺贈時の時価-取得費
取得費が分からない場合は、取得費を遺贈時の時価の5%で計算することができます。
このときは以下の算定式となります。
課税譲渡所得=遺贈時の時価の95%
  所有期間が5年以下 所有期間が5年超
所得税 30.63% 15.315%
住民税 9% 5%

みなし譲渡所得がかからなくする方法

一定の要件を満たすとみなし譲渡課税がかからなくなる特例があります。

  • 国税庁長官による個別の承認を受ける一般特例
  • 国税庁長官による承認の連絡がない場合、自動的に承認とみなす承認特例

どちらの特例も適用要件が厳しく、手続に膨大な書類が必要で審査にもかなりの時間がかかるといった問題があります。しかも特例を申請するのは寄付する側です。

現物の遺贈寄付ではみなし譲渡所得による税負担がネックとなることが多いため、税金を払わないすむ特例の利用拡大が望まれるところです。
そのためには特例制度を今よりも使いやすくする必要がありますが、最近の税法改正で徐々に改善が進んでいます。

 
制度が改善すれば、現物を寄付しやすくなります。利用されていない不動産の活用に遺贈寄付が役立つのではと考えています。
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