父の相続で取得した戸籍謄本は、今回の母の相続でも使えるのでしょうか?
戸籍集めは大変!少しでも負担を減らしたい
相続手続きでは亡くなった方の一生分の戸籍を始めとしてたくさんの戸籍謄本を集めます。
戸籍の収集は手間暇かかるうえ、役所に払う手数料や郵送料など経済的な負担もばかになりませんね。
過去の相続手続きで集めた戸籍謄本が家の中に残っていることがあります。
この古い戸籍を今回の相続手続きにも使えるのでしょうか?
再利用できるなら、手続きが効率化でき、遺族の精神的な負担も減りますね。
結論から言うと、
過去に取得した戸籍には、そのまま使えるものと、最新のものを取り直す必要があるものがあります。
まずは戸籍の種類から確認しましょう。
戸籍には3種類ある
戸籍には次の3種類があります。
- 現在戸籍
- 改製原戸籍
- 除籍
現在戸籍は、戸籍に記載されている人の中で、少なくとも一人は生きている方がいる戸籍です。
生きている方はその後死亡したり、養子縁組などをする可能性があるので、将来的に記載内容が変わる可能性のある戸籍です。
改製原戸籍は、戸籍の改製がある直前の戸籍のことをいいます。
平成時代に戸籍が縦書きから横書きになったのですが、これを平成の戸籍改製といい、この縦書きの戸籍は平成改製原戸籍と呼ばれます。
除籍とは、現在戸籍から全員が除かれて、誰もいなくなった戸籍のことです。
戸籍に記載されていた人が亡くなったり、他の戸籍に移ったりした結果、全員がその戸籍からいなくなると除籍となります。
現在戸籍だけは新しいものが必要
②の改製原戸籍と③の除籍については、すでに違う種類の戸籍に移行済み又は全員除かれているので、その後に記載内容が変化することはありません。
記載内容が変わらないのであれば、発行日付が新しくても古くても内容に変化がなく、改正原戸籍と除籍は、発行日付が古いものでも使用できます。
①の現在戸籍は、記載内容が変わる可能性があります。
そのため、現在戸籍だけは、過去の相続で使った古い戸籍謄本を再利用sるうことができません。新しい発行日付のものを取り直してください。
取り直してください、と言われたら
ところが、実際に相続手続きを進めていくと、現在戸籍だけでなくすべての種類の戸籍について新しいものを取り直すように指示を受ける場合があります。
特に銀行や証券会社では、すべての戸籍について発行日から3か月以内の新しい戸籍を要求されることがあります。
同じ戸籍を再び取得するのは残念ですが、新しいものを取り直してください。
相続手続きでお困りの方はご相談ください
弊所は、相続手続きに関するさまざまな問題を専門として取り扱う事務所として、皆様の相続の悩みを一緒に解決へと導きます。
相続手続きの不安や疑問を一人で抱え込むのではなく、専門家とともにスムーズな進行を目指しませんか?あなたの大切な相続の問題、一緒に解決していきましょう。