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相続放棄 そうぞくほうき

そうぞく‐ほうき【相続放棄】 
〔法〕相続人が相続による財産の承継を拒絶する意思表示。自己のために相続の開始があったことを知った時から3カ月以内に家庭裁判所に申述することを要する。
『広辞苑 第六版』 岩波書店

相続放棄
waiving of inheritance
『新和英大辞典 電子増補版』 研究社

目次

相続放棄とは?

相続放棄とは、法定相続人がプラスの財産もマイナスの財産も相続しないことをいいます。

これをするのは主に、プラスの財産よりもマイナスの財産が多い場合です。

相続放棄をすると、初めから相続人でなかったものとして扱われます。

相続放棄の手続

相続放棄をするには、相続の開始があったことを知った時から3か月以内に家庭裁判所に相続放棄の申述書を提出します。

この3か月の期間を熟慮期間といいます。

財産の存在が不明だったり、内容が複雑だったりすると、相続放棄をすべきか否かの判断に必要な財産調査に時間がかかります。

調査が3か月で完了しそうにないときは、期間の延長を熟慮期間内に家庭裁判所に申し立てることができます。

相続放棄をするにも相続放棄の期間延長をするにも、3か月以内に手続が必要です。

亡くなった方が借金をしていた可能性がある場合は、要注意。

何もしないままでは、単純承認といって、プラスの財産もマイナスの財産も全て相続することを認めたことになります。

故人の借金を負わないためには、速やかな財産調査が必要です。

 
3か月の期限を意識して動きましょう。

MEMO

相続放棄したとしても、遺贈を受けることは可能です。
相続放棄と遺贈は別個の制度だからです。
特定遺贈であれば、プラスの財産だけをもらうことができます。
ただし、信義則違反や詐害行為として認められない可能性があるので、遺言書の作成にあたって注意が必要です。

相続放棄と相続分の放棄

一般の人が相続放棄と言うとき、単に遺産を取得しないという意味で使っていることが多々あります。

それは法律行為としての相続放棄とは違います。


単にプラスの財産を取得しない、という意図なのであれば、それは相続放棄ではなく相続分の放棄です。

相続分の放棄でよければ、わざわざ家庭裁判所に申述する必要はありません。

その人が財産を相続する旨の記載が無い遺産分割協議書を作成し、署名捺印すれば足ります(財産を相続しない、という記載は不要です)。

ただし相続分の放棄だけだと、故人の借金を後日請求された場合に拒絶できない危険があります。

手間はかかりますが、相続分の放棄ではなく相続放棄をしておくほうが安心です。

  相続放棄 相続分の放棄
プラスの財産 引き継がない 引き継がない
マイナスの財産 引き継がない 引き継ぐ



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