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寄与分 きよぶん 

寄与分(きよ‐ぶん)
遺産の分配にあたり、共同相続人の中で、被相続人の生前の事業への労務提供や療養看護などによってその財産の維持・増加に特別の寄与をした者が受ける分け前。
『広辞苑 第六版』 岩波書店

Contributory Portion

目次

寄与分とは?

相続人の中に亡くなった方の財産の維持または増加について特別の寄与をした人がいる場合に、その相続人に対して相続分以上の財産を取得させる制度

寄与分は何のためにあるの?
相続人間の実質的な公平を図るため。
介護と寄与分について

寄与分が問題になるのは介護をめぐってのことが多い。

だが特定の子が親が介護をしたとしても扶養義務の範囲内とされるため、通常の介護が寄与分に反映されることはほとんどない。

また寄与分の額について相続人同士で意見がまとまらず家庭裁判所の判断を仰ぐことになっても、一般に、法律にしたがって計算される寄与分は期待するほどの額にはならない。

したがって介護を担ってくれた特定の子に相続でその労に報いたいと考えているならば、相続発生後の家族の話し合いに任せるのではなく、生前に遺言書で手配しておくべき。

寄与分を受ける資格がある人

主に相続人

第1順位の人(配偶者と子)が相続人である場合、親やきょうだいなど第2順位以下の人は、たとえ特別の寄与を行っていたとしても、寄与分を受ける資格は無い。

寄与分を主張するための要件

寄与分を主張するためには、その寄与行為が
無償、かつ
特別の程度(=扶養義務の範囲を超える程度)
で行われたものでなければならない。


介護の場合

相続人の介護により医療費や看護費用の支出をせずにすんだことで、亡くなった方の財産の維持に寄与した

要件

寄与行為についての要件

・無償性
・継続性
・専従性

寄与行為の結果についての要件

・相続財産の維持又は増加

特別の程度についての要件

・介護保険の要介護度2以上が指標となる

寄与分の算定

介護報酬基準等による日当×日数×裁量的割合
 

面倒をみてくれた子を報いたいときは遺言を書くべし

相続発生後に寄与分を認めてもらおうとしても、他の相続人との話し合いの過程でトラブルになったり、裁判所に認めてもらうには厳格な要件を満たす必要があったりと大変な思いをする。

面倒を見てくれた子に確実に報いたいのなら、遺言書は必須。遺言書の中で多めに相続させるように指定する。

ひとこと

 
介護の労に報いるため遺言書を書こうと思っていても、認知症が進んで遺言書を作れなくなることがあります。

認知症があると介護は一層大変になります。

それなのに、遺言書がないまま亡くなると、その子の献身が何ら報われない結果になってしまうかも。

遺言書は元気なうちに書いておきましょう。

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