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税務調査が入らないようにするにはどうしたらいいいの?
税務調査という単語を聞くだけでゾクッとしますね 笑
相続税ではこれまで税務署にはほとんど縁の無かった人も対象となりますから、得体の知れぬ税務調査に戦々恐々とする気持ちはよく分かります。
税務調査が入る可能性を下げるには何といっても、
のが大切です。
この記事では、押さえておきたい相続財産6つをご紹介します。
- 名義預金
- 手許現金
- 3年以内の暦年課税による贈与
- 相続時精算課税による贈与
- 家財道具
- ゴルフ会員権・リゾート会員権
これらの財産は、相続税法の考え方と一般の感覚にズレがあるようです。
知らなかったり忘れたりして相続財産に入れないと申告漏れとなってしまい、税務調査の対象となりかねません。
そんな事態を避けるため、予めチェックしておきましょう。
押さえておきたい相続財産6つ
相続税は、法人税・所得税に比べて税務調査されやすい税金です。統計上約10%に調査が入ります。
法人では約3%、個人事業主では約1%ですので、相続税の税務調査の確率がいかに高いかわかりますね。
しかも相続税の場合、それまでの人生で税務署にほとんど馴染みの薄いサラリーマンや主婦であっても調査の対象となることがあります。
相続税の申告を追えた後の税務調査に不安を感じやすいです。
ただ、調査率が高いといっても、調査対象はランダムに選ばれるわけではありません。提出された申告書の中から「怪しいもの」をピックアップするのです。
ですので、税務署に疑問を生じさせる隙の無い申告書を提出すれば、調査が入る確率をぐんと引き下げられます。
税務調査を呼んでしまう「怪しい申告書」の代表例は、あるべきはずの資産が漏れている申告書です。
税務署は独自の権限やネットワークを駆使して、故人が持っていたはずの財産を推定しています。あるはずの財産が計上されておらず、それで税金が大幅に少なくなっているとしたら、怪しいですね。
税務調査が怖いなら、まずは、相続財産に漏れがないようにするのが大切です。
私の経験上、「知らなくて」「うっかりして」財産の申告漏れがあった例はとても多いです。相続財産に含まれるものについて相続税法の考え方と一般の感覚にズレがあることが原因の一つになっているようです。
以下では相続税申告で盲点になりがちな相続財産6つをご紹介します。
- 名義預金
- 手許現金
- 3年以内の暦年課税による贈与
- 相続時精算課税による贈与
- 家財道具
- ゴルフ会員権・リゾート会員権
名義預金
名義預金とは、亡くなった方の名義ではないものの実質的に亡くなった方の財産であるとして相続税の対象となる預金をいいます。代表的なものに、家計のやりくりのために妻名義の口座にお金を入れていたとか、子や孫のために子・孫名義の口座を作ってお金を積み立てていたなどがあります。
相続税の考え方では「誰の名義か」よりも「実質的な所有者は誰か」を重視します。
実務上は、以下の3点から、故人の名義以外の預金が名義預金にあたるかどうかを判断します。
- その預金のそもそものお金の出どころは故人か?
- その預金は過去に故人から贈与されたものか?
- 誰がその預金を管理していたか?
お金の出どころが故人で、過去に故人から贈与があったわけではなく、かつ故人が管理していたというときは名義預金に該当することになります。
この相続税の考え方は一般的な感覚と食い違うようです。そのため、相続人が相続財産とは知らずに申告しないことがあります。一方、税務署は名義預金の漏れに目を光らせていますから、税務調査では「名義預金の申告漏れ」の指摘が非常に多いです。税務調査を避けたいなら、名義預金には絶対注意しましょう。
手許預金
手許現金とは、銀行に預けないで身の回りに置いてある現金のことです。具体的には、
- タンス預金
- 亡くなる直前に引き出した現金
- 故人のお財布の中の現金
- 故人から預かった現金
などがあります。
程度の差こそあれ、ほとんどの相続では手許現金は存在するはず。それが加算されていないと不自然ですので、税務調査のリスクが高まります。漏れの無いようしっかり加算しましょう。
手許現金は亡くなった日の残高で計上します。生活費や入院費など亡くなる前に使った分は計上しなくて構いません。一方、葬儀費用などで亡くなった後に使った分は、亡くなった日時点で存在した現金なので計上する必要があります。ただし別途相続財産から控除できることが多いです。
預金と違って手許現金には持ち主の名前がはっきり書いてあるわけではありません。ぱっと見ただけでは故人の財産かどうか分かりませんね。安易に考えてしまう傾向があります。明からさまな隠蔽の意図は無くても、ばか正直に自分から言う必要もないのでは、と思っている人もいます。しかしそれは間違いです。手許現金の存在はいとも簡単にバレます。
というのも税務署は、生前の収入等のデータから亡くなった時点での財産がどれくらいか目星をつけていますし、預金からの出金履歴も職権で簡単に調べられます。もしも故意に隠した手許預金がバレたら重加算税という重いペナルティを課されます。後で損をしたくないなら、手許現金を甘くみないで、きちんと正確に申告しましょう。
3年以内に暦年贈与で贈与された財産
相続開始前3年以内に行われた暦年贈与による贈与があれば、相続財産に含めます。贈与税の基礎控除額(毎年110万円)以下の部分には贈与税がかからないため、相続税もかからないと勘違いすることが多く、相続財産から漏れがちです。でも実際には贈与から3年以内に贈与者が亡くなると相続税の対象となりますので注意が必要です。
ただし、相続財産に加算するのは、相続で財産を取得した人がもらった分に限ります。誰が受け取るかによって相続財産に含めるかどうかが変わるのです。
法的に相続する権利がある相続人でも、実際の相続で財産を取得しないならば、その人が3年以内に暦年贈与で贈与された財産は相続財産には加算しません。逆に相続人でなくても、遺言で財産を受け取った人や死亡保険金を受け取った人が3年以内に暦年贈与で贈与された財産があれば、相続財産に加算します。
贈与税の申告書や贈与契約書、通帳を確認し3年以内の暦年贈与があると分かったら、相続財産に加算すべきかどうか税理士に確認すると安心ですよ。
相続時精算課税で贈与を受けた財産
相続時精算課税というのは、累計2,500万円までの贈与について贈与時に贈与税がかからない代わりに、相続時にまとめて相続税が課税される仕組みです。亡くなった方から相続時精算課税で贈与を受けた財産は、贈与の時期を問わずすべて相続財産に加算します。
暦年贈与とは違い、相続で財産を取得していない人の分の贈与も対象になります。例えば、相続時精算課税により行われた孫への贈与。孫は相続人でないため相続で財産を取得しませんが、相続税申告では孫への贈与を相続財産に加算します。
相続時精算課税を使う場合は必ず贈与税申告を行います。その際に相続時精算課税選択届出書を添付することになっています。相続時精算課税選択届出書がないか探してください。もしあれば、そのとき提出した贈与税申告書の控えをチェックし贈与分を相続財産に加算します。
過去に相続時精算課税で贈与があった事実を相続人が知らなかったり忘れていたりで申告漏れとなるケースはよくあります。贈与税を払っていないので記憶に残りにくいようです。税務署にはしっかり記録が残っているため必ず税務調査で指摘されます。少しでも心当たりがあれば、詳しく調べてみましょう。
家財道具
家にある家具や家電、衣服、貴金属、車、骨董品といった財産も相続財産に含まれます。家財道具を一切持ってない人はいないんじゃないでしょうか。
原則として亡くなった時点の「時価」で評価しますが、すべての家財の時価を調べるのは大変ですし、時価が分からないモノも多いはず。
実は1単位当たり5万円以下の家財道具は、他の家財とまとめて一括評価してよいことになっています。家にあるモノは、次に挙げる特殊なモノを除き、一般に時価5万円以下と考えられます。大体の金額でOKですので忘れずに計上しましょう。家財一式 5万円~30万円程度とすることが多いです。
時価が5万円を超えそうなモノには、車や貴金属、骨董品があります。中古市場での売却価額で評価します。といってもよほど高価なモノを除き、きちんした鑑定は必要ありません。インターネットで調べて大体の相場が分かったらそれを計上します。5万円以下だった場合は、家財一式に含めて構いません。
ゴルフ会員権・リゾート会員権
故人が生前にゴルフ場に通っていたり、リゾートに頻繁に滞在していたりすると、ゴルフクラブやリゾートクラブの会員になっているかもしれません。会員証がないか、通帳から会費の引き落としがないか、クラブからの郵便物が届いていないか確認しましょう。
もしあればゴルフ会員権・リゾート会員権も相続財産にあたるので、忘れずに申告します。ゴルフ会員権・リゾート会員権は亡くなった日現在の、
通常の取引価格の70%
で評価します。
取引価格はインターネットで調べられます。サイトによって価格が異なることがあるので、複数のサイトをチェックして最も低い評価額を選ぶようにしましょう。ネットに情報が見当たらないときは、発行元に連絡して、「今、売るとしたらいくらで売れるか」を尋ねてみましょう。
まとめ
相続税の税務調査が怖いなら、税務署に疑問を生じさせる隙の無い申告書を提出したいものです。隙の無い申告書の要件の一つは、記載された相続財産に漏れがないこと。
この記事では漏れがちな相続財産を6つご紹介しました。
- 名義預金
- 手許現金
- 3年以内の暦年課税による贈与
- 相続時精算課税による贈与
- 家財道具
- ゴルフ会員権・リゾート会員権
これらは税法の考え方と一般的な感覚にズレがあるためか、申告から漏れがちです。でも税務調査で指摘されると過少申告加算税や重加算税などペナルティが科されてしまいます。該当する財産がないか、よく確認してみてください。
「うっかりしていた!」と後で後悔することのないように、慎重に作業を進めてくださいね!