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遺言書をなかなか書く気になれないときは?意欲を高める技4つ
相続遺言相談室 on the web
でもなかなかその気になれなくて…
遺言書の必要性は理解している。でもなかなか書く気になれず、ついつい先延ばしにしている。
今回はこのお悩みについて取り上げます。
遺言書って、言ってしまえば、紙数枚を書くだけのことです。
たったこれだけで、効果的な相続対策ができる。
でも実際には、なぜかやる気になれず、先延ばしにしてしまう人が多い。
これは、
ことが一つの原因です。
モチベーションには、
- 外発的モチベーション
- 内発的モチベーション
の2種類があります。
遺言書は人に言われて仕方なく書くよりも、自ら進んで書くほうがずっと楽に書くことができます。
なので、遺言書を書くにあたっては、自分の内発的なモチベーションを大切にしてほしい、といつもお伝えしています。
でも、自ら意欲を高めるにはどうすればいいのか?
案外、難しい理屈よりも、テクニックが役に立つかもしれません。
以下にご紹介する4つの技を試してみてはいかがでしょうか?
有名人の遺言書に学ぶ
遺言書をなかなか書く気になれないのは、遺言書にそれほど関心を持てないでいることが原因の可能性があります。
遺言書について、教科書的な知識はあっても、どうも興味がない。
興味が湧いてくるような情報が不足しているのです。
こういうときは、有名人が遺した遺言書について、本やネットで調べてみるのも手です。
たとえば、マイケル・ジャクソンの遺言書。
マイケル・ジャクソンは急死にもかかわらず、よく練られた遺言書を遺していました。
その一部をご紹介しましょう。
- 遺産はすべて、ファミリートラスト(家族信託)に信託する
- ジョン・ブランコらを遺言執行者に任命する
- 前妻は相続人から除外する
- 子どもが未成年の場合は、母を後見人に指名する。母が務められない場合は、ダイアナ・ロスを後見人に指名する。
これだけでも、家族信託や遺言執行者、相続人の廃除、後見人の指定、予備的遺言という論点がつまっています。
教科書的な説明を聞くよりもずっと身近に感じられるのではないでしょうか。
自分が好きだったり、関心を持っている有名人であれば、なおのこと興味が湧きますね。
それをケーススタディとして遺言書について学んでみる。
国や時代ごとに制度の違いがあるので、自分が遺言書を書くのにすべて参照できるというわけではありませんが、歴史や文化に関心のある方であれば、それも含めて面白く感じるのではないでしょうか。
知的好奇心の旺盛な人におすすめの方法です。
他の有名人の遺言書についても、ネットにいろいろ情報がありますので、調べてみましょう。日本人だと白洲次郎の遺言書が人気のようです。
MEMO
前に遺言書と生命保険の共通点を記事にしました。
現在のように生命保険の加入が抵抗なく受け入れられるようになった背景には、テレビCMに有名なタレントを起用してきた営業努力があると言われています。
それを遺言書に応用すると、有名人の遺言書を学ぶということになるのではないでしょうか。
[blogcard url=https://papillon-support.com/blog/unpleasant-feeling-of-will/]
ことわざをつぶやく
遺言を連想させることわざを口癖にすることで、じわじわと自分のやる気を高める方法です。
「あほらし」と思った人は読み飛ばしてください。
私は言霊の存在を割に信じているほうです。同じような考えの方は試してみてはいかがでしょうか?
言霊
言葉に宿っている不思議な霊威。古代、その力が働いて言葉通りの事象がもたらされると信じられた。
『広辞苑 第六版』 岩波書店
お好きなことわざでかまいませんが、参考例をご紹介します。
- 光陰矢のごとし
「そのうち書く」と思っていても、時間は信じられない速さで経過します。ぴゅっと矢のように飛んで、二度と帰らない。手遅れにならないためには、この矢のイメージを常に胸に留めておきましょう。☆呑気な人向け
- 備えあれば憂いなし
日頃から準備をしておけば、いざというときも心配ない。これ、「遺言書を書いておけば、自分が死んだ後も安心だ」と解釈してもいいし、「遺言書を書いておけば、心配がなくなり気持ちが晴れやかになる」とも解釈してもいいです。遺言書を書くことで得られる報酬を意識する、ということですね。☆ごほうびがないとやる気が出ない人向け
- 画竜点睛を欠く
最後の仕上げをしないために、不十分な仕上がりになってしまう。自分の人生を誇りを持って締めくくるには、自らの残した財産で無用な相続トラブルを引き起こさないようにしたいもの。そのための手段が遺言書なのです。☆完璧を期したい人向け
- 立つ鳥跡を濁さず
他ならぬ自分の財産です。後は野となれ山となれ、では無責任というもの。自分で責任を持って受け渡し方を決めましょう。☆責任感の強い人向け
脅迫的にならないよう、自分が心地よくつぶやけることわざを選ぶのがコツです。
遺言セミナーに参加する
最近では、各地で遺言教室や遺言講座、遺言セミナーが頻繁に開催されています。
自治体が主催するものもありますし、信託銀行、葬儀会社、保険会社などが営業活動を兼ねて開催しているものもあります。
無料か低額で参加できるものも多いです。
こういった遺言セミナーに参加するのもいいかもしれません。
他の参加者とも顔を合わせることになるので、そこから刺激を受けることもあります。
エンディングノートを書く
今やよく知られるようになったエンディングノート。
万が一の時に備えて、さまざまな情報を記載しておきます。
万が一というのは、死亡だけでなく、急な入院や認知症になったときなども含む「もしもの時」です。
直接的に死と結びつくものではないので、遺言書ほど抵抗感を感じることなく取り組めるという人もいます。
これまでの人生を見つめ直し、これから先の人生を考える手段としても役に立ちます。
これを遺言書を書く前のウォーミングアップにしてみてはいかがでしょうか?
エンディングノートは自由形式ですので、大学ノートに書いても、パソコンで書いても、何でも構いません。
書店やAmazonでは解説付きの専用のノートも多数販売されています。
美しくデザインされたエンディングノートは眺めるだけで心躍ります。お気に入りの一冊を選んで書いてみるのもいいでしょう。
ただし、注意していただきたいのは、
ということ。
エンディングノートを書くことで、達成感や安心感を感じてしまい、遺言書を書くのを止めてしまう人がいます。
しかし、法的効力の無いエンディングノートだけでは、相続対策として不十分です。
エンディングノートだけで終わらないように意識する必要があります。
まとめ
遺言の必要性を理解していても、なかなか書く気になれないのは、自らの内に遺言書を書くモチベーションが不足しているから。
今回の記事では、その意欲を高める方法として、以下の4つの技をご紹介しました。
- 有名人の遺言書を学ぶ
- ことわざをつぶやく
- 遺言書セミナーに参加する
- エンディングノートを書く
遺言書を書くという行為は、基本的に面倒くさいものであり、進んではやりたくないものです。
でも、人に言われてから書くのでは、心理的な苦痛も大きくなります。
だったら、自分で自分を鼓舞するのがいいんじゃないかと思うのです。
そのための技として参考にしてみてくださいね!
コメント
弊所のような専門家が遺言書を作るお手伝いをするといっても、あくまでも主役は遺言者ご本人です。
ご本人の内発的なモチベーションがないと、できることは限られます。
MEMO
今回の記事では、「佐竹和弘『日本一楽しい!遺言書教室』すばる舎 2011年」の 「第4章 遺言書を「書く気」にさせる徹底レッスン」を参照しました。
家族への遺言書の勧め方が分からないという悩みが多いのに、既存の本は判で押したように遺言書の書き方ばかり、と著者は言います。確かにその通りです。
同様に、遺言書の書き方の本はたくさんあるのに、遺言書を書く意欲を高める方法についてはこれといった情報がなく、各遺言者に委ねられているように思います。
家族に遺言書を勧めることと、自分で自分に遺言書を勧めることには、共通する部分があります。
そこで記事では、この本で紹介されている方法の一部を自らのモチベーションという視点で翻案し、ご紹介しました。
「家族への遺言書の勧め方」について悩んでいる方は、ぜひ本書を読んでみてください。
ちなみにマイケル・ジャクソンの遺言書についても詳しい説明がのってます^^。