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相続した空き家を売るなら、お得な特例で節税しよう
親が亡くなり、実家を相続しました。
でも自分の家はもうあるし、どうしたらいい?
でも自分の家はもうあるし、どうしたらいい?
相続した空き家の処分に頭を悩ませる人が増えています。
使わない空き家を持っていても、固定資産税や管理費などのコストがかかるばかりです。
空き家が事件や事故の原因となる可能性もあります。
資産価値のある物件であれば、売却するのもいいかもしれません。
使わない空き家を持っていても、固定資産税や管理費などのコストがかかるばかりです。
空き家が事件や事故の原因となる可能性もあります。
資産価値のある物件であれば、売却するのもいいかもしれません。
この記事では相続した空き家の売却にかかる税金とそれを大幅に減らすことのできるお得な特例について解説します。
特例を利用するための条件や手続きについても、最近の改正を交えて紹介します。
特例を利用するための条件や手続きについても、最近の改正を交えて紹介します。
この知識があれば、相続した空き家を賢く処分するのに役立ちますよ。
それでは、さっそくみていきましょう。
目次
相続した空き家の放置は危険!
空き家の数が増加しています。7軒のうち1軒が空き家だそうです。
多くの家屋が放置され、使用されていない状態となっています。
多くの家屋が放置され、使用されていない状態となっています。
空き家が増える主な原因の一つに相続があります。
相続された家屋は、相続人がすでに他の場所に住んでいたり、都市部に移住していたりするために放置されることがあるからです。
放置された空き家はさまざまな問題を引き起こします。
空き家は、無人で管理が行き届かないと倒壊や火災、犯罪のリスクを増加させます。
空き家が事故や事件の原因になれば所有者である相続人に賠償責任が生じます。
そうならないためには空き家を適切に管理する必要があります、それには管理費や修繕費がかかります。
空き家が事故や事件の原因になれば所有者である相続人に賠償責任が生じます。
そうならないためには空き家を適切に管理する必要があります、それには管理費や修繕費がかかります。
空き家には固定資産税や都市計画税の支払いもあります。
自治体から「そのまま放置すると危険な空き家」として特定空き家に指定されると固定資産税が最大6倍になります。
自治体から「そのまま放置すると危険な空き家」として特定空き家に指定されると固定資産税が最大6倍になります。
京都市では2023年3月、空き家の所有者に税を課す空き家税(非居住住宅利用促進税)を導入しました。
空き家の増加は日本全国で深刻な社会問題となっているため、他の地域でもこのような税制が広がる可能性があります。
空き家の増加は日本全国で深刻な社会問題となっているため、他の地域でもこのような税制が広がる可能性があります。
このように空き家にはさまざまなデメリットがあります。
相続した空き家を放置するのは望ましくありません。
相続した空き家を放置するのは望ましくありません。
空き家の売却で生じる税金
空き家に資産価値がある場合には、売却も選択肢のひとつになるでしょう。
ただし不動産の売却には税金が伴います。
特に売却益である譲渡所得に対して課される税金は、売却価格と取得・売却コストの差額に税率を適用するため、売却価格が高い場合や取得費が安い場合には高額になりがちです。
この税金を節約できるお得な特例があります。
「被相続人の居住用財産に係る譲渡所得の特別控除の特例」というものです。
通称「空き家特例」といわれます。
「被相続人の居住用財産に係る譲渡所得の特別控除の特例」というものです。
通称「空き家特例」といわれます。
空き家特例を使うと、最大で600万円もの節税が可能です。
適用には条件があるものの、適用できれば売却にかかる税金をゼロにしたり、大幅に引き下げることができます。
適用には条件があるものの、適用できれば売却にかかる税金をゼロにしたり、大幅に引き下げることができます。
この特例、当初は2023年12月までの予定だったのですが、最近の改正で4年間延長され、2027年12月まで適用可能となりました。
相続で空き家を相続したかたやその予定があるかたは、この特例を適用できないかぜひ検討してみてくださいね。
相続で空き家を相続したかたやその予定があるかたは、この特例を適用できないかぜひ検討してみてくださいね。
空き家特例とは?
空き家特例とは、老朽化した空き家の増加により、倒壊の危険や治安の悪化、防犯面での不安が高まることを防ぐために設けられた税制優遇制度です。
空き家を解消しようとして導入されたもので、空き家を取り壊すか耐震工事を行うことなどを条件に売却時の税金を大幅に引き下げることができます。
空き家を解消しようとして導入されたもので、空き家を取り壊すか耐震工事を行うことなどを条件に売却時の税金を大幅に引き下げることができます。
不動産の売却で発生する売却益のことを譲渡所得といいます。
空き家特例を利用すると相続した空き家を売却した人の翌年の確定申告で、譲渡所得から3000万円まで控除することができます。
相続した空き家では一般的、譲渡所得の税率は住民税が15%、住民税が5%です(所有期間が5年超の不動産売却の税率)。したがって、
特例の適用により最大で600万円の節税が可能となります(3000万×20%)。
3000万円の特別控除は相続人ごとに利用できます。
たとえば実家を相続人二人の共有で相続したとすると、それぞれの相続人が最大3000万円を控除できるため、合計の節税額は最大1200万円とさらに大きくなります。
たとえば実家を相続人二人の共有で相続したとすると、それぞれの相続人が最大3000万円を控除できるため、合計の節税額は最大1200万円とさらに大きくなります。
ただし最近の改正により、対象の家屋を相続した相続人の数が3人以上の場合、特別控除額はひとり最高2000万円になりました。
改正後の控除額は、2024年1月1日以降に行われる売却に適用されます。
改正後の控除額は、2024年1月1日以降に行われる売却に適用されます。
注意したいのは、相続した空き家であればどんな空き家でもこの特例を利用できるわけではないということです。
古い空き家の解消を目的とした制度なので、その趣旨に沿って対象となる空き家の条件が定められています。
古い空き家の解消を目的とした制度なので、その趣旨に沿って対象となる空き家の条件が定められています。
次にこの条件について確認しましょう。
空き家特例の適用条件
まずは大前提として売却する空き家が相続が発生する直前に故人が暮らしていた家屋もしくは敷地であることが条件です。
故人が所有していても、貸し付けていたり、事業用のみに使用していた物件は対象外です。
(ただし故人が老人ホームに入所していて相続する直前には居住していなかった家屋については、必要な書類が揃えば特例の対象となります。)
(ただし故人が老人ホームに入所していて相続する直前には居住していなかった家屋については、必要な書類が揃えば特例の対象となります。)
そのうえで以下の条件をすべて満たすものだけがこの適用を受けることができます。
- 昭和56年5月30日以前に建築された家屋であること
建築基準法改正前に建築された建物は現在の耐震基準を満たしておらず、取り壊しもしくは耐震工事を条件として特別控除が認められています。
- 耐震基準を満たした家屋もしくは更地であること
空き家特例の趣旨は倒壊リスクのある古い家屋を解消することにあるため、空き家が耐震基準を満たしていない場合には、耐震工事を行った上で土地・家屋を売却するか
家屋を取り壊して更地にして土地を売却することが必要です。
これについては最近の改正で変更がありました。
従来は売却前に売主側で耐震工事や取り壊しを行う必要があったのですが、売主側に工事費用の負担があったり工事実施のタイミングが難しいことから、特例適用のハードルが高くなっていました。
今回の改正により、売主側の負担を軽減するべく要件が緩和されました。
2024年4月以降の売却からは、買い主が購入後、その翌年の2月15日までに耐震工事や取り壊しを行ってもよいことに変更されました。
ただしその場合には契約時にその旨の取決めをして、売買契約書に特記する必要があります。
- 区分所有建物登記がされている建物ではないこと
一戸建ての家屋のみが対象で、マンションは対象外となります。
- 相続開始直前に親以外に居住していた人がいないこと
故人と一緒に住んでいた家族がいる場合は空き家となる可能性が低いため、特別控除の対象から外れます。
- 売却するまでの間、空き家であること
相続後に相続人や他の人が一時的にでも住んでいた場合や、駐車場などに貸していた場合には対象外となります。
- 死亡日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却すること
- 売却代金が1億円以下であること
- 売却した空き家について、他の特例の適用を受けていないこと
- 同じ人から相続した他の空き家でこの特例の適用を受けていないこと
- 売却先が配偶者や子などの特別な関係である人でないこと
これらの条件をすべて満たしていれば、空き家特例を適用することができます。
また利用にあたっては確定申告を含む手続きも必要です。
また利用にあたっては確定申告を含む手続きも必要です。
空き家特例を利用するための手続き
上記の条件を満たした空き家に空き家特例を適用するためには、適用の条件を満たしていることを証明する以下の書類を添付した確定申告書を税務署に提出する必要があります。
確定申告は売却を行った翌年の3月15日までに自分の住む住所地を担当する税務署で行います。
確定申告は売却を行った翌年の3月15日までに自分の住む住所地を担当する税務署で行います。
【確定申告書に添付する書類】
- 譲渡所得の内訳書(確定申告書付表兼計算明細書)
- 売却資産の登記事項証明書(売却する不動産が特例の適用対象であることが分かる証明書)
- 被相続人居住用家屋等確認書
- (故人が老人ホームなどに入居していた場合)要介護認定などが確認出来る書類や老人ホームなどの入所契約書の写し
- (家屋を売却する場合)耐震基準適合証明書または建設住宅性能評価書の写し
- 売買契約書の写しなど売却代金が1億円以下であることが分かるもの
この中で特に注意が必要なのは、被相続人居住用家屋等確認書です。
これは、対象の不動産が「相続開始の前に親の居住の用に供されていたこと」や「親以外の居住者がいなかったこと」、「相続後に未利用の状態であったこと」などについて、市区町村長による確認を受けたことを証する書類です。
被相続人居住用家屋等確認書を入手するには不動産の所在地の市区町村役場に申請します。
「被相続人居住用家屋等申請書・確認書」という書類を窓口に提出するのですが、その際に以下の書類も必要となります。
「被相続人居住用家屋等申請書・確認書」という書類を窓口に提出するのですが、その際に以下の書類も必要となります。
【被相続人居住用家屋等申請書・確認書に添付する書類】
- 故人の「除票住民票の写し」の原本
- 相続人の「住民票の写し」の原本
- 売買契約書の写し
- 電気、ガス、水道の使用中止日が確認できる書類
- (取り壊しの場合)取り壊し後の閉鎖事項証明書
- (取り壊しの場合)取り壊し後の敷地の利用状況がわかる書類
- (故人が老人ホームなどに入居していた場合)要介護認定などが確認出来る書類や老人ホームなどの入所契約書の写し
これらの添付書類をすべてそろえるのはかなり手間がかかります。
役所に申請してから発行までに時間がかかる場合もあります。
役所に申請してから発行までに時間がかかる場合もあります。
確定申告の期限に遅れないためには、なるべく早い段階から添付書類の準備を進めるようにしてください。
まとめ
この記事では相続した空き家を売却する際に役立つ「空き家特例」について解説しました。
この特例を適用すると3000万円の控除を受けることができ、最大600万円もの税金を節税できます。
この特例を適用すると3000万円の控除を受けることができ、最大600万円もの税金を節税できます。
ただし適用が認められるためにはさまざまな条件があります。
税務署への確定申告とそれに先立つ役所への証明書類の入手手続きも必要です。
税務署への確定申告とそれに先立つ役所への証明書類の入手手続きも必要です。
簡単に使えるというわけでは決してないのですが、最近では耐震工事・取り壊し要件の緩和もあり従来よりも使いやすくなっています。
売却益にかかる税金をゼロにできる可能性もあるとてもお得な特例です。
相続した空き家の売却を考えているかたは、この特例が使えないかぜひ検討してみてください。
売却益にかかる税金をゼロにできる可能性もあるとてもお得な特例です。
相続した空き家の売却を考えているかたは、この特例が使えないかぜひ検討してみてください。
特例の適用可否については、条件が複雑に規定されているため、自分で判断するのは難しいかもしれません。
そういうときは税理士に頼ってくださいね。
空き家特例を確実に適用するには早めの準備が必要です。
特例の適用条件を満たしているにも関わらず、売却時期が遅れたり添付書類の用意が間に合わないなどの理由で適用できなくなるのはもったいないです。
できれば空き家を相続したタイミングで税理士に相談するのがおすすめです。
特例の適用条件を満たしているにも関わらず、売却時期が遅れたり添付書類の用意が間に合わないなどの理由で適用できなくなるのはもったいないです。
できれば空き家を相続したタイミングで税理士に相談するのがおすすめです。