登戸駅徒歩4分 日本全国&海外からもご依頼いただけます

期限のある相続手続

相続遺言相談室 on the web

 

突然の相続。やることが多すぎて頭が混乱・・・。
絶対に遅れてはいけない手続は何ですか?

相続が起こると、やらなくてはいけない手続が無数にあります。何から手を付ければいいか分からない、とパニックになる人も。

実は相続手続の中には明確な期限付きの手続とそうでない手続があります。

期限付きの手続に遅れた場合、故人の借金を背負うことになったり、余計な税金払うことになったり、貰えるはずのお金が貰えなくなったりとマズイ事態になりかねませんが、期限のない手続は多少遅くなっても問題ありません。

そこでまずは、自分に関係する期限付きの手続について「期限内に絶対終わらせよう」と意識するのがいいでしょう。それが指針となり他の相続手続も順序立てて進められます。

ここでは、絶対に遅れられない4つの期限付き手続をご紹介します。

目次

期限のある相続手続

  1.   相続放棄 3か月以内
  2.   準確定申告 4か月以内
  3.   相続税申告 10か月以内
  4.   遺留分侵害額請求 1年以内

以下では各手続のポイントと期限について説明します。

相続放棄 3か月以内

相続放棄とは、プラスの財産も借金ももらわない手続です。主として、借金がプラスの財産を上回る場合に使われます。

相続放棄の手続の期限は、亡くなったとの事実及び自分が法律上の相続人となった事実を知った時から3か月以内です。

多額の借金があるにも関わらず手続せずに3か月が経過してしまうと、亡くなった方の借金を背負うことになってしまいます。

相続放棄をすると、借金を相続する心配はなくなりますが、プラスの財産も相続できなくなります。思い込みでなく本当に借金がプラスの財産よりも多いのか、慎重に調査する必要がありますね。

この調査には時間を要します。故人に借金があるかもしれないというときは、早めに動きましょう。自分でやってみて上手く進まなかったら、時間切れにならないよう、相続の専門家に相談するのが安心です。

相続放棄の相談先は、司法書士さんがおすすめです。実際に相続放棄するとなった場合に家庭裁判所への申立てまでサポートしてもらえます。
財産調査だけなら行政書士でも対応できます。借金がないか念のために調べておきたいというときは、行政書士に相談してもいいでしょう(もちろん弊所にもご相談いただけますよ(^_^) )

所得税の準確定申告 4か月以内

準確定申告とは、所得税の確定申告をしなければならない人が亡くなった場合に、かわりに相続人が行う確定申告です。

準確定申告の期限は、亡くなった事実を知った日の翌日から4か月以内です。確定申告の期限と違うので注意してください。

準確定申告の必要があるのに4か月の期限までに申告しなかった場合、本来の所得税に加えて、無申告加算税と延滞税という余分な税金を支払わなくてはいけません。

故人が生前に確定申告して税金を支払っていたら、準確定申告が必要な可能性が高いです。また、生前に確定申告していなくても、死亡した年に不動産や株式の売却、保険金の受取りなどで一定の所得があれば、準確定申告が必要な可能性が高いです。

準確定申告すれば税金が戻ってくるというケースでは、4か月という期限は関係ありません。5年以内に申請すれば、還付してもらえます。ただし、相続税の申告が必要な場合、還付金も相続財産に含めますので、準確定申告も早めに行う必要があります。

相続税申告  10か月以内

相続税の申告期限は、亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内です。

相続税の申告義務があるのに申告書の提出が遅れたら、本来の相続税に加えて、無申告加算税と延滞税という余分な税金を支払うことになります。相続税が高額であれば、無申告加算税と延滞税も高額になります。

10か月という期限は長いように思うかもしれませんが、油断は禁物です。申告書を作成するためには、原則として、相続人調査や財産調査、遺産分割協議といった前提となる手続を終えている必要があります。どこかでつまずいてしまうと、申告期限に間に合わないおそれが。

相続に強い税理士に早めに相談して、絶対に提出期限に遅れないようにしましょう。

遺留分侵害額請求 1年以内

遺留分とは、相続人が法律で保証されている最低限の取り分のことです。遺言書に書かれたとおりに遺産分割した結果、自分の取り分が遺留分を下回っていれば、不足分を他の相続人に対して請求することができます。これを遺留分侵害額請求といいます。

遺留分が認められるのは亡くなった人の配偶者、子、両親についてのみで、兄弟姉妹には認められません。

遺留分侵害額請求の期限は、相続の発生および遺留分を下回る遺産しか受け取っていないことを知ったときから1年以内です。

遺言書に従った取り分に納得できないなら、遺留分侵害額請求で取り戻せる可能性があります。1年以内に請求できるよう準備しましょう。

ご紹介した4つ以外にも期限付きの手続はあります。一段落ついたら、次の手続もやってみてくださいね。

  • 葬祭費・埋葬費の申請 2年以内
  • 未支給年金の請求 5年以内

まとめ

相続手続はやみくもに手を付けるよりも、まずは、ご紹介した4つの期限付き手続を絶対に間に合わせることを意識しましょう。

  1.   相続放棄 3か月以内
  2.   準確定申告 4か月以内
  3.   相続税申告 10か月以内
  4.   遺留分侵害額請求 1年以内

やるべき期限付きの手続が明らかになったら、期限までに終わらせるべく順序よく着実に実行しましょう。

他の相続人が協力的でなかったりして、相続手続がなかなか進まず、ツラい思いをしている方がいるかもしれません。「このままでは期限に間に合わないかも・・・」というときはぜひ躊躇せず外部の専門家に相談してみてください。第三者の関与によって手続がスムーズに運ぶようになるケースは多いです。

 

目次