ご自宅から相談OK!ただいま電話又はビデオ(Skype/Zoom)での初回相談を実施中です

自筆証書遺言書保管制度:法務局では内容の相談はできません

  • 2020年5月13日
  • Blog

コロナウィルス騒ぎの陰に隠れてあまり話題になっていませんが、一部でかねてから待望されていた法務局での自筆証書遺言の保管制度が令和2年7月10日にいよいよスタートします。

これを機に遺言書を書いておこうかなと考えている方のために、この保管制度の利用にあたって一番重要な注意点をご紹介します。

それは、

法務局の窓口では遺言書の内容については相談にのってくれない

ということです。

窓口では、遺言書の形式が法的な要件を満たしているかどうかのチェックのみしてくれます。

自筆証書遺言は簡便とは言え法律文書ですので、エンディングノートのように自由に書いていいというわけではなく、法の定める様式に従っていないと無効とされてしまいます。

法律に詳しくない一般の方が自分で調べて書くのは大変です。自力で調べて書いたとしても、ミスなく書けたかどうかが死後になるまで分からないというのは博打のようで怖いですね。

法務局での保管制度を利用すると、保管申請時の手数料が1件につき3,900円で形式のチェックが受けられることになります。しかも、然るべき時まで国が責任を持って保管してくれるので安心です。

ぜひ積極的に利用していただきたいと思います。

ただ、これだけで自筆証書遺言が問題なく利用できるようになったかというとそうでもないのです。

法務局も明言しているように、この制度では内容のチェックは一切なし。遺言書に記載する内容の確認はサービス対象外ということのようです。

実は世の中には、法的要件を満たしていても、実際には役に立たなかった遺言書が山ほどあります。ほとんどの場合、書かれている内容がマズかったことが原因です。

何がマズかったかというと個々に異なりますが、代表的な例では、財産に漏れがあったとか、遺留分を侵害していたとか、税務リスクのある分割方法になっていたといったものが挙げられます。

法務局の保管制度を利用する場合、遺言書の内容面については、本を読んだりインターネットで情報収集してご自分でセルフチェックする方が多くなりそうです。

ただし、個々の事情により確認すべき点は様々であり、民法や租税法の知識が必要になることもありますので、形式のチェック以上に難しい作業になるのは必至です。

内容面で問題含みの遺言書なのに形式上の不備が無いため窓口で受理されてしまうとどうなるでしょうか?

このような遺言書は時限爆弾のようなもので、その方が亡くなった後に問題が発覚します。

時差があるので、保管制度が始まってしばらくは、制度は支障なく運営されるでしょう。

ところが、法務局に預けられた遺言書が実際に手続きに使用されるようになる数年後に色々な問題が出てくると予想されます

将来的に「法務局に預けたから安心した。でもそんなことになるなんて…」なんて事態も考えられます。

その時点でなお元気でいれば書き直せばいいだけの話しですが、その保証は誰にもありません。仮に亡くなった後に遺言書の問題が発覚するとすれば、取り返しのつかない失敗です。

であればこそ、自筆証書遺言保管制度の利用にあたっては、遺言書の内容面での検討もお忘れなきよう、くれぐれもお気を付けください。

 

 

 

>相続手続・相続税申告の専門家が相談を承ります! 

相続手続・相続税申告の専門家が相談を承ります!