第3回:国際相続って、誰に相談すればいいの?税理士だけでいいの?

まゆさん、国際相続って誰に相談すればいいんですか?
税理士だけでいいんですか?

そもそも、普通の相続でも一人の専門家だけでは完結しないの。
相続税の申告は税理士、不動産の名義変更は司法書士、揉めたら弁護士。 誰が窓口になるかはケースによるわね。

じゃあ国際相続だと、もっと複雑になるってことですか?

そうそう。国際相続になると、日本の専門家だけじゃなくて、海外の専門家も必要になることがあるから。
しかも同じ「相続に強い弁護士」でも、国内の案件しかやっていなければ、国際相続には対応できないことが多いしね。
今回はまず、どんな専門家が関わるのかを整理しましょう。

普通の相続と国際相続では
関わる専門家の範囲が違います

普通の相続
日本の制度の中で完結
🇯🇵 日本の専門家
税理士(相続税申告)
司法書士(不動産登記)
弁護士(紛争があるとき)
行政書士(書類作成等)
国際相続
日本+海外の手続きが
同時に進むことがある
🇯🇵 日本の専門家
税理士・司法書士・弁護士・行政書士
+国際相続の実務経験で対応力に差が出る
🌏 海外の専門家
現地CPA・EA(税務申告)
現地弁護士(プロベート等)
日本の専門家だけでは対応しにくい領域

国際相続になると「海外の専門家」が加わるのが
普通の相続との最大の違いです

相続は「チーム戦」——誰が窓口になるかはケース次第

相続の手続きには複数の専門家が関わります。
税理士は相続税の申告、司法書士は不動産の相続登記、弁護士は遺産分割で紛争があるとき。
戸籍収集や必要書類の整理、遺産分割協議書の文案作成などを行政書士がサポートすることもあります。

誰が全体の窓口になるかはケースによります。
相続税の申告が必要なケースでは税理士が全体を見渡す立場になることが多いですが、不動産の名義変更が中心なら司法書士、遺産分割で揉めていれば弁護士が最初の窓口になることもあります。

この基本は国際相続でも変わりません。 ただし、国際相続になると関わる専門家の範囲がさらに広がります。

国際相続では、日本の専門家と海外の専門家の両方が必要になることがある

普通の相続は、日本の制度の中で完結します。
しかし国際相続では、手続きの一部が海外の制度の中で行われることがあります。
そのため、日本側で対応する部分と、海外側で対応する部分に分けて考える必要があります。

日本側では、準拠法の判断(被相続人が外国籍の場合)は渉外相続に対応できる弁護士が関与した方が安全なことが多く、外国籍の相続人の身分関係書類の収集(出生証明書や宣誓供述書)は渉外相続の実績がある行政書士・司法書士・弁護士等が担当することがあります。
いずれも日本の国家資格者ですが、国際相続の実務経験があるかどうかで対応力が大きく違います。

海外側では、現地の税務申告が必要な場合にCPAやEA(米国の税務代理資格)などの税務専門家が、現地の相続手続き(プロベートなど)では現地弁護士の関与が必要または有用になることがあります。
これらは日本の専門家だけでは対応できない領域です。

国際相続では、国内相続とは違う論点が加わるため、実務経験の有無で対応力に差が出やすいのが実情です。
日本側でも国際相続の実務経験がある専門家は限られていますし、海外側は国・州ごとに制度が異なるため、日本から探すのはさらにハードルが上がります。

💡まゆさんのひとこと

国際相続では、税理士だけですべてをカバーできるわけではありません。
日本側の専門家と海外側の専門家、それぞれに役割があります。
しかも、同じ「相続専門」でも国際相続に対応できるかどうかは別の話です。
次回は、具体的にどのケースでどの専門家が必要になるのかを整理します。

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