第2回:うちって国際相続に当てはまるの?チェックしてみたい

まゆさん、前回の4つのケースはわかったんですけど、実際どういう人が当てはまるんですか?海外に住んでる人だけの話じゃないですよね?

いいところに気づいたわね。実は「今は日本に住んでいる」人でも当てはまるケースがたくさんあるの。
海外赴任から戻った人、外国籍や二重国籍の家族がいる人、子どもが海外に住んでいる人……。
それだけじゃなくて、海外の銀行口座や証券口座が残っている、海外の保険を続けている、なんてケースも立派な国際相続よ。

自覚がないって怖いですね。どうすれば確認できるんですか?

まずは簡単なチェックリストで見てみましょう。
1つでもYesがあれば、国際相続の可能性を意識して確認を始めた方がいいわね。

国際相続の可能性チェック
1つでも当てはまれば、課税範囲と必要書類の確認を始めましょう
被相続人(親など)が海外に住んでいる、または過去に住んでいた
相続人(自分や兄弟など)が海外に住んでいる
家族に外国籍・二重国籍の人がいる
(配偶者・子など)
子どもが留学後そのまま海外で就職・永住している
財産
海外に銀行口座がある
(使っていなくても)
海外に不動産がある
海外の証券口座で株式や投資信託を持っている
外資系企業からRSU・ストックオプションで取得した株式がある
海外の保険会社で生命保険に加入している
海外の年金を受け取っている、または受給権がある
(米国Social Security、401kなど)
チェックを入れてみてください

意外と多い「自覚なし」のケース

国際相続は「海外に住んでいる人の話」と思われがちですが、実際はそうとも限りません。
とくに元駐在員や大学教授の方は、帰国後も海外との接点が残っていることが多いです。

よくあるのが、駐在中に開設した海外の銀行口座をそのまま残しているケースです。
残高が少額でも、確認すべき相続財産のひとつです。
その口座が日本の相続税の課税対象になるかは、被相続人・相続人の住所や国籍、財産の所在などで変わります。

同じように、駐在中に加入した海外の生命保険を継続しているケースもあります。
被相続人が保険料を負担していた死亡保険金は、相続税の対象になることがあります。

外資系企業に勤めていた方は、株式報酬やストックオプションが海外の証券口座に残っていることがあります。
海外の年金や退職関連資産も、制度によっては確認が必要です。
海外に不動産がある場合は、その国の相続手続きが別に必要になることもあります。

「人」の側にも落とし穴がある

お子さんが留学をきっかけに海外で就職・永住しているケースは、大学教授の家庭では珍しくありません。
相続人が海外に住んでいると、納税義務の範囲が変わるだけでなく、書類の取得に時間がかかるなど、申告期限に影響する実務上のリスクもあります。

外国籍や二重国籍のご家族がいる場合は、国籍と住所の組み合わせで日本の相続税の課税範囲が変わることがあります。

まずは「誰がどこに住んでいるか」「日本国籍があるか」「被相続人がいつまで日本に住んでいたか」を確認することが大切です。

当てはまったら何が変わるのか

国際相続に該当すると、大きく3つのことが変わります。

1つ目は課税範囲です。
日本国内の財産だけが対象になるか、世界中の財産が対象になるかが、当事者の住所・国籍・海外居住年数によって決まります。
親が日本在住であれば、原則として全世界の財産に日本の相続税がかかります。

2つ目は申告の難度です。
海外財産の評価、海外金融機関とのやり取り、外国語書類の翻訳など、国内相続にはない作業が加わります。

3つ目は二重課税の調整です。
海外でも相続税や遺産税が課される場合、日本の相続税から差し引く「外国税額控除」という手続きが必要になることがあります。

チェックリストで1つでもYesがあれば、国際相続の可能性を意識して、早めに専門家に相談することをおすすめします。

💡まゆさんのひとこと

国際相続は、「海外に住んでいる人だけ」の問題ではありません。
親や子が海外に住んでいる、海外口座や海外保険がある、外国籍の家族がいる。
それだけで、相続税の課税範囲や必要書類の集め方が変わることがあります。
1つでも思い当たることがあれば、まずは「誰がどこに住んでいるか」「海外にどんな財産があるか」を整理するところから始めましょう。
それが、ご家族を守る第一歩になります。
次回は、国際相続で相談すべき専門家について整理します。

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