遺言書を書いてもらうには?

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お父さんに遺言書を書いてもらいたいけど本人にその気はないみたい。
どうすれば書いてくれるでしょうか?

遺言書のご相談で多いのがこれ。

自分だけのことなら自分がなんとかすればよいのですが、人を動かすのは大変ですね。

ましてや遺言書というのはデリケートな話題と捉えられがちで、言い出しにくい。

ご本人が高齢だったり健康が思わしくなかったりで自身の相続をリアルに感じられる状態だとすればなおさらです。

勇気を出して頼んでみたら怒ってしまって話にならなかった、ということもよく耳にします。

遺言書を書いてもらうにはどうすればよいか?

悩ましい問題ですが、この記事ではヒントとなりそうなアイデアをご紹介します。

遺言書について家族でカジュアルに話題にしてみる

まずは一般的な話しとして、遺言書について家族でカジュアルに話題にしてみるのがいいのではないでしょうか。

これまで日本では遺言書はいわば日陰の存在でした。遺言書の普及率は1割未満とされ、欧米に比べて極端に低い割合となっています。

お金持ちや訳ありの人が書くものというイメージで捉えられる傾向もあったかもしれません。

しかし実際には遺言書が役立つのは一部の人に限られません。

財産の少ないご家庭であっても、もしも遺言書が残されていたら家族で争うことにはならなかったのにというケースがたくさんあります。

最近では、国の遺言書保管制度が新たに開始したこともあり、新聞やテレビで遺言書が取り上げられる機会がかつてなく増えています。

遺言書の必要性やメリットを伝える前向きな取り上げられ方が主流です。

こうした情報にご家族もどこかで接しているでしょうから、それを追い風として、遺言書について家庭内で話し合ってみましょう。

なるべくなら、一般的な話しとして明るくポジティブに話題にするがいいと思います。

「遺言書の保管制度が始まったらしいよ」とか。

「遺言書を書くとこんないいことがあるらしいよ」とか。

「欧米では遺言書を書くのは大人のエチケットらしいよ」とか。

ご本人が遺言書を書く、となると深刻になってしまいがちなので、あくまでも一般的な話しとして、さりげなく話題に出してみてください。

考えてみれば、遺言書自体には、ネガティブな側面もポジティブな側面もあります。

これまではネガティブな側面ばかりに焦点が当たりがちで、それが原因で普及がなかなか進まなかったといえます。

遺言書を書いてもらい家族がいるなら、遺言書が持つポジティブな側面について、家庭の中で語ることからはじめましょう。

自分が先に遺言書を書いてみる

次にやってみてほしいのは、相談者自らが先に遺言書を書いてみることです。

遺言書について家族の中で話題にするのはスタートしてはよいのですが、やはりそれだけで遺言書を書く気になってもらうのは難しいでしょう。

一般論としての遺言書と自分の遺言書ではまったく話しが違います。遺言書を書くとに対して心理的な抵抗を感じるのは仕方がないことです。

遺言書を書いてもらいたいと家族が思っていることは、口に出さずともご本人に伝わっていることが多いものです

それでもなかなか書く気になれない、というとき、原因の一つは孤独感かもしれません。

家族の中で自分だけが遺言書を書かなくてはいけないというのは、一番の年長者であったり一家の大黒柱であったりしても、辛いと感じる方も多いでしょう。

そこで相談者自らがまずは遺言書を書いてみるのです。

自分の財産をいったんすべて棚卸して、万が一の時にそれを誰に受け継いで貰いたいかじっくり考えてみる。

遺言書を書くプロセスの中で家族を思いやる機会を持てたとすれば、それをぜひ家族に伝えてください。

遺言書を書くことは家族を大切にすること。自らの経験としてそれを示すことは、家族に遺言書を書いてもらうためのまたとないきっかけとなるでしょう。

まとめ

家族に遺言書を書いてもらいたいなら

  • 遺言書について家族でカジュアルに話題にしてみる
  • 自分が先に遺言書を書いてみる

というのが私からのご提案でした。

ちなみに、遺言書の必要性について切々と説明して説得するというやり方もありますが、私の経験上、あまり有効とは思いません。

遺言書を書いた方がいい、というのは皆さん薄々気付いているものです。

それでも書く気にならないのは心情的な問題でしょうから、理詰めで説得されるのも辛いだろうと思います。

家族に遺言書を書いてもらいたいなら、ぜひまずは遺言書について偏りなく理解し、遺言書を我が事としても考えてみてください。

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