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早々と払い戻した預金の遺産分割協議での取扱いについて

相続のご相談にのっていると、相続人の誰かがすでに預金を払い戻して自分のものにしているケースにしばしばお目にかかります。
ATMで何日間かに分けてほとんど下ろしてしまい、亡くなった方名義の口座の残高がほぼゼロになっていることもめずらしくありません。

 
これ、遺産分割協議のときにどう扱うのが正解か、分かりますか?


遺産分割の対象となる財産については、遺産分割のときに残っている財産のみを分割の対象とするというのが原則的な考え方とされています(遺産分割時説)。

この考え方に従うと、本例の場合、遺産分割時に残っている残高だけを対象に遺産分割を行うことになります。

これでは払戻しを受けた人だけが得をして、他の相続人が損をしてしまう気もするのですが、遺産分割の対象となる相続財産でない以上、納得しない相続人がいれば、当事者同士の話し合いや民事訴訟といった遺産分割協議以外の方法で解決してください、ということのようです。

しかしながら、相続人同士に争う姿勢がなく、円満な方法で解決したいなら、原則的な考え方を修正し、預金から先に払い出した分を遺産分割の対象に含めることもできます。行政書士である私がお手伝いするのは大半がこのケースでです。

その際の遺産分割協議書の書き方をご紹介しておきましょう。
先に払い戻した分について、その相続人が先取りで分割を受けたものとして処理する場合の書き方(①)と、いったん返還してもらってから改めて分割する場合の書き方(②)です。

遺産分割協議書の記載例

 ①の場合

相続人の全員は、次の遺産を遺産分割の対象とし、これを相続人甲が取得することに合意する。
 
 〇〇銀行〇〇支店の被相続人名義の普通預金 口座番号XXXXXXXにおける、甲が令和〇年〇月〇〇日に払戻しを受けた金100万円
②の場合
甲、乙及び丙は、被相続人名義の次の預金を、甲が1/2、乙及び丙が各1/4の割合で取得する。
     
     銀行名 支店名 口座種類
     口座番号
 

甲、乙及び丙は、丙が前項の預金口座から令和〇年〇月〇〇日に払戻しを受けた金〇〇万円についても、被相続人の遺産に含めて分割することを確認する。
 
遺産分割協議時に残っていない財産を分割の対象とするのはイレギュラーな処理なので、遺産分割協議書上で相続人全員の同意を得ておくと安心です。

 

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