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違反すると罰則? 「相続登記の義務化」

  • 2023年5月25日
  • 2023年5月26日
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これまで、不動産を相続した相続人が自主的に名義を行うかどうかは任意とされてきました。しかし、相続登記が行われないと、不動産の所有権が明確でなくなり、所有者が不明の土地が増えるという問題が生じていました。そこで2024年4月1日からは相続登記が法的義務となり、この問題に取り組む新たな道が開かれます。

この記事では、この法改正の背景、目的、その詳細な内容、罰則について解説します。以下の記事を読むことで、相続登記の新法律について理解を深めるだけでなく、相続時の対応に役立つ情報を得ることができます。

相続登記の申請の義務化はいつから?

1-1. 2024年4月1日開始!

相続登記の申請の義務化が、2024年4月1日から正式に施行されます。これまで、相続が生じた場合でも、相続人が自主的に相続登記を行うかどうかは任意であり、法的な義務はありませんでした。 しかし、この日からは相続登記が義務となり、全ての相続人は法律に従い、相続が生じた不動産について登記を行う責任が生じます。

1-2. 過去に発生した相続はどうなる?

この法改正は、施行日以前に発生していた相続に対しても適用されます。つまり、2024年4月1日より前に相続が発生し、まだ相続登記が行われていない場合でも、新たに相続登記を行う義務が生じます。この遡及適用により、相続登記の申請の義務化は、過去に発生した相続についてもその影響を及ぼすことになります。

2.登記の義務化はなぜ必要?

2-1. 所有者不明土地問題の解消

相続登記の申請の義務化は、所有者がわからない土地(所有者不明土地)の増加による問題を解消するために行われます。所有者不明土地とは、登記簿を見ても所有者が分からない土地のことです。所有者が分からない土地は「所有者不明土地」と呼ばれています。
所有者不明土地が生じる主な原因の一つに、相続時に所有者の登記が行われないことがあります。このような土地が増えると、土地の管理や利用に問題が生じる可能性があります。相続登記が義務化されることにより、不動産の所有者が明確になり、所有者不明土地問題が解消されることが期待されます。

3.登記の期限と罰則

3-1. 相続登記の期限

相続人が相続する財産に土地や建物が含まれる場合、相続人は相続の開始を知って、かつ、所有権を取得したと「知ったときから」3年以内に相続登記を行うことが義務化されます。これは、相続人が相続した土地や建物の所有権を明確にするために重要な手続きです。
この期限は、相続人が不動産を放置したり、所有権を曖昧なままにしておくことのリスクを軽減するために設けられています。相続不動産の所有権が明確になることで、相続人や関係者が適切に財産を管理し、利用や処分に関する問題を回避することができます。
相続登記の期限を守ることは、財産の所有権を明確にし、適切な管理と保護を確保する上できわめて重要です。

3-2. 相続登記を怠った場合の罰則は?

相続登記の申請の義務化に違反して、相続人が正当な理由なく3年以内に相続登記を行わない場合、違反者には「10万円以下の過料」が課されます。
この罰則の目的は、相続登記の義務を厳守することを促すためです。
罰則があることで、相続人は相続登記を適切な期限内に行う責任を果たすことが求められます。
この罰則は相続登記の義務を履行しない場合にのみ課されるものであり、正当な理由によって相続登記が遅れた場合や遅延が生じた場合には、適切な説明や証明が提出されることで罰則を回避することができるとされています。正当な理由があるかどうかは個別の事情に応じて判断されます。
相続登記の義務化に伴い、相続人申告登記制度という制度も新たに始まります。相続人は法務局の登記官に対し、自分が不動産の相続人である旨を申し出て、職権で登記してもらうことができます。

この制度は、遺産分割協議の成立が難しいケースでも相続人1名で義務を果たせるように設けられたものです。これにより、相続登記の申請手続きが義務化される一方で、手続きの簡素化と効率化が実現されます。

4.義務化が相続税申告に与える影響

相続登記の義務化は、相続税申告に直接は関係しません。しかし、相続人が財産を正確に把握し、相続税を適切に申告・納税する助けになると考えられます。

また、国が相続財産の情報をより正確に把握することを可能にするため、相続税の徴収が強化され、税務調査の効率が向上する可能性があります。

5. まとめ

2024年4月1日より、不動産を相続した相続人に相続登記の義務が生じます。これは、不明な所有者による土地問題を解消するための法改正です。相続が生じた場合、相続人は3年以内に相続登記を行う義務があります。
違反すると、最高10万円の過料が課されます。
この法改正は遡及適用され、既に発生した相続についても影響を及ぼします。
また、新たに「相続人申告登記制度」が導入され、一人の相続人でも登記手続きを円滑に進めることが可能になりました。

相続登記の義務化は、相続税申告とは別ですが、明確な不動産の所有者情報を通じて、正確な相続税申告・納税を促進ものと感がられます。これにより、相続税の徴収が強化され、税務調査の効率化にも寄与することが期待されます。

・2024年4月1日から相続登記が義務となる!
・相続人は3年以内に相続登記を行う必要あり!
・違反すると、最高10万円の過料が課される!

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