遺産分割協議が分かれ道!「仲の良い家族」を続けるには?

最近当事務所では相続手続のお手伝いをする機会が増えています。口コミやチラシをきっかけに相談に来られた方々のお話を聞くにつれ、地域の皆様にとって相続が大きな悩みの種となっているのを感じます。

相続手続は様々な手続が含まれますが、その中でポイントとなるのが「遺産分割協議」です。相続財産をどう分けるかを相続人全員で決める話し合いのことです。遺言書があったり相続人が一人しかいないといった例外的な場合を除き、必ず行います。一連の相続手続における遺産分割協議の重要性については、いくら強調しても足りません。遺産分割協議は相続手続の最大の山場です。

相続トラブルの大半は遺産分割協議での失敗が原因で起こります。失敗というのは、何も協議がまとまらず、家庭裁判所に持ち込まれるということに限りません。むしろ、相続人の誰かが強引にまとめてしまい、表面上は問題なく協議が成立したようにみえても、他の相続人に不満が残ったという方が一般的かもしれません。

相続人の誰もが満足する遺産分割協議というのは、残念ながら現実的にはあり得ません。皆が少しずつ譲歩して妥協点を探る作業となります。それに失敗するとどうなるのでしょうか。色々なご家庭の相続をみている専門家としてお伝えしたいのは、「金銭的な問題は解決しても、人間関係は元に戻らない」という事実です。

遺産分割協議で揉めると、その後の親戚付き合いは難しくなります。法事に呼んでも来ない、墓参りにそれぞれで行く、結婚式があっても呼ばない、年賀状も出さない、挙げ句の果てには生死に関わることさえ知らせないといったことが普通にあります。遺産分割で生じた心理的な問題によって人間関係にひびが入ってしまうのです。

この意味で、遺産分割協議はその後の親戚付き合いのターニングポイントと言えます。同じ血を分けた親子やきょうだい、縁あって親族となった人たちとの関係が遺産分割協議をきっかけに悪化するのは、何とも残念に感じます。遺産分割協議での失敗は取り返しがつかないことを肝に銘じて、くれぐれも慎重に進めていただきたいと思います。

とはいえ、それは非常に難しい課題です。遺産分割協議の上手い進め方を心得ている人などめったにいません。ほとんどの方が手探りで進めます。それで上手くいかず困って相談にいらっしゃった方のお話を聞いてみると、「そのやり方はまずかったのでは・・・」と感じることが多々あります。

遺産分割協議には円満に終えるためのコツがあります。その一つ一つは取り立てて説明するほどのことではなく、普段の生活で自然と行っているようなマナーや心構えも含まれます。ある意味当たり前なことであるからか、一般の相続手続の本にはほとんど書かれていません。しかし、こと相続という非日常の特別な場面においては忘れがちなものです。

それらのコツを事前に頭に入れておけば、無用なトラブルを回避し、仲の良い親戚付き合いを続けることができるかもしれません。ご相談にいらっしゃった方には個々の事情に合わせたアドバイスすることができるのですが、本ブログでも一般的に通用すると考えられるものをいくつかご紹介する予定です。